信州大学医学部第二外科

心臓血管外科部門・乳腺内分泌・呼吸器外科部門のスペシャリスト、
信州大学医学部外科学講座(外科学第二)です。

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外来・病棟案内

信州大学心臓血管外科は2014年11月神戸大学より岡田健次教授を迎え、診療体制も大幅リニューアルしました。
当科では、心臓疾患から大動脈疾患、静脈やリンパ管をも含めた末梢血管疾患に至るまで、体内の循環臓器全般を対象とした外科治療を行っています。特に重篤な全身合併症をお持ちの患者さん、超高齢者の患者さん、複合病変をお持ちの患者さんなどに対する集学的治療においては、大学病院という利点を活かし循環器内科をはじめとした各診療科との連携のもと、患者さんの長期予後まで配慮したより安全で確実な手術を目指して診療を行っています。

特に当科で力を入れている手術をご紹介いたします。

狭心症など虚血性心疾患に対する心拍動下冠動脈バイパス手術

人工心肺を使用した心停止下冠動脈バイパス術は、一般的には安全性の確立された術式ですが、人工心肺を使用するため症例によっては高侵襲と考えられます。当科では人工心肺を使用せず心臓を拍動させたまま行う「心拍動下冠動脈バイパス手術」を第1選択としています。脳血管疾患や出血性素因を合併している患者さん、ご高齢な患者さんには特に有用な方法です。

弁膜症疾患に対する自己弁温存手術

僧帽弁や大動脈弁の閉鎖不全症(逆流症)を中心に、できるだけ患者さんご本人の弁を温存する形成術を目指しています。人工弁を使用せずご自分の弁を残すことで、術後の心機能回復に寄与したり抗凝固薬(ワーファリン)の内服を回避できるなど、患者さんの術後の「生活の質」に留意した手術方法を選択するよう心がけています。大動脈基部拡大を伴った大動脈弁閉鎖不全症に対しては自己弁温存大動脈基部置換術(David手術)を,僧帽弁閉鎖不全症に対しては僧帽弁形成術を第一選択としております.

感染性心内膜炎に対する集学的治療

心臓の弁に感染を起こす感染性心内膜炎は、塞栓症による脳梗塞,それに引き続く脳出血,敗血症,心不全を引き起こす重篤な病態です。特に脳合併症を併発した患者さんにおいては、通常の抗凝固法を用いた人工心肺下手術によりさらに脳合併症を悪化させてしまうこともあり、慎重な適応決定や術式への工夫が求められます。当科では豊富な経験に基づき、特に脳合併症を有する感染性心内膜炎に対しても抗凝固法を工夫することで積極的に手術を行っています。また大動脈基部膿瘍を有する症例に対する大動脈基部置換術の工夫,僧帽弁位感染性心内膜炎症例に対する積極的な形成術を行っております.

重症心不全に対する外科治療

重症心不全の患者さんに対する左室形成術・弁形成術などに積極的に取り組んでいます。また重症心筋炎などに対する体外式補助人工心臓装着はもとより、心臓移植が必要な患者さんに対する植込型補助人工心臓治療を、当科、循環器内科、小児科、看護師や臨床工学技士などが参加するVADチームを中心に行い現在までにHeart Mate II3例の植込手術を経験し経過は皆順調です。

大動脈瘤に対する外科治療

当科では胸部・胸腹部・腹部大動脈に対する外科治療を得意としています。特に難易度が高いとされる胸腹部大動脈瘤に対する治療では最大の合併症である脊髄虚血の発生を可能な限り低く抑えるべく様々な工夫を凝らしています。また胸部、腹部の大動脈瘤に対し従来行われてきた遠隔予後が安定した標準術式である人工血管置換術に加え、ステントグラフト治療(血管内治療)にも力を入れています。当院では日本で保険認可となった平成19年よりステントグラフト治療を開始しており、安定した成績を出しています。ハイリスクな弓部・胸腹部大動脈瘤患者さんなど必要とされる患者さんには術式を様々に工夫し、患者さんひとりひとりの全身状態に応じたステントグラフト治療を提供できるよう努力しています。

急性心大血管疾患に対する緊急手術

急性大動脈解離、急性心内膜炎、不安定狭心症、急性心筋梗塞といった緊急手術を要する疾患には、救急部、循環器内科、麻酔科、手術部との連携のもと、24時間365日体制で応じています。特に急性大動脈解離の手術では臓器灌流障害を伴う症例に対しても様々な工夫を加え積極的に治療を行います。

末梢血管疾患に対するハイブリッド治療

閉塞性動脈硬化症などにより下肢の血管が閉塞してしまう末梢動脈閉塞疾患では、多くの患者さんが心臓や脳にも合併症を抱えておられ、その治療も一筋縄ではいかないのが現状です。当科では侵襲の少ないカテーテルインターベンションと外科手術を組み合わせたハイブリッド治療を用いることにより、より安全で負担の少ない治療を提供することを心がけています。